湿潤療法(うるおい療法)に関するセミナー

Seminar on Moist Cure


 12月4日(土)18:00より、第8回湿潤療法(うるおい療法)に関するセミナーを広島YMCAホール2号館(広島市)で開催致しました。
 今回、本セミナーは、中国地方ではじめての開催となりましたが、医師、歯科医師、看護師、コメディカルなどの医療関係、また介護関係や養護教育関係に至るまで幅広い分野から、総勢80名弱の方々にご参加戴き、お陰様で盛会の内に終了することが出来ました。ご参加戴きました皆様に、心よりお礼申し上げます。また今回は、座長として、きよすクリニックの伊藤喜亮先生が、名古屋より有志で駆け付けて下さいました。主催者として併せてお礼申し上げます。
 まず、セミナー1として、瀬尾クリニックの瀬尾一史先生に「湿潤療法のすすめ」という演題でご講演いただきました。瀬尾先生が湿潤療法を開始されるに至った経緯や瀬尾先生の治療経験を基にした湿潤療法のポイント、数多くの実際の症例など、ユーモアを交えながら非常に解り易く解説いただきました。また、口頭による説明に加え、実際に湿潤療法で使用される被覆材の実物展示等も会場内で行って下さいましたので、より具体的に治療法を理解することができました。更に、ご講演の中で、ムカデ咬傷の解毒に関し43℃以上の熱めのシャワーによる洗浄が著効である旨も併せてご教示いただきましたが、目から鱗の落ちる内容で、大変参考になるものでした。最後に瀬尾先生は、湿潤療法を初めて開始するには、一歩前に踏み出す勇気が必要であり、先ずは、頭髪のシャンプー無し湯洗からチャレンジすることを勧められて、ご講演を締められました。
 続きましてセミナー2では、石岡第一病院の夏井睦先生に、「新しい創傷治療」という演題で、ご講演いただきました。夏井先生は、過去広島県内で5回ご講演されているそうですが、広島市内でのご講演は初めてとのことで、待望のご講演となりました。今回も、湿潤療法の基礎から、実際の治療、無意味な消毒や創感染の考え方まで、60分と通常セミナーより短い時間でしたが、詳しく解説して戴きました。参加者は、夏井先生のユーモラスで明快な弁舌に熱心に耳を傾けられており、会場内は熱気が溢れていました。質疑応答では、夏井先生に直接質問できることもあり、参加者からは日頃湿潤療法を実践されている上で、難渋されている症例なども踏まえ数多くの質問が寄せられました。夏井先生からは、高齢者の難治性潰瘍に関して「傷とともに生きる人生もある」との名言が飛び出したり、また、皮膚が再生する時の掻痒対策など、大変参考になる回答や印象に残る回答を戴きました。セミナー2終了後には恒例の夏井先生のサイン会が開催され、大好評の内に終了致しました。
 貴重なご講演をいただい瀬尾一史先生、夏井睦先生、座長の伊藤喜亮先生、ならびに、ご参加いただきました皆様に重ねてお礼申し上げます。

   SOMC事務局

第8回セミナー【広島】 開催報告       


 
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